「牧師の人助け」
ある日、教会の牧師さんの元に貧しそうな夫婦がやって来ました。夫婦は、
「お願いです。水を下さい」
と、牧師さんにお願いしました。牧師さんは、夫婦に水をあげました。
牧師さんは、何故夫婦が教会に来たのか聞くと、
「結婚したは良いが、あまりにも貧しくて住む所を追い出されてしまいました。手持ちのお金もあとわずか。夫婦共倒れを覚悟した時にこの教会が目に入ったのです」
と、いかに自分が大変だったかを夫婦は牧師さんに説明しました。
「良いでしょう。住む所をお貸しします」
牧師さんは、夫婦に教会の空き部屋を貸しました。
「ありがとうございます」
夫婦は、牧師さんにお礼を言いました。
夫婦は、最初は教会の掃除や手伝いを自主的にやっていましたが、次第に怠けて過ごすようになりました。
それからしばらく経ち、夫婦は、
「職を探すのにお金が必要です。何とかなりませんか?」
と、牧師さんにお金を貸してくれるようにお願いしました。
「仕方ありませんね」
牧師さんは、夫婦にお金を貸しました。夫婦は職を探して、教会を後にしました。
数十年後、夫婦が経営する店が成功し、大きな会社になるまで成功し、夫婦はお偉いさんになっていました。
牧師さんは、夫婦に貸したお金を返してもらおうと夫婦の元に向かいましたが、「そんなの身に覚えが無い」と、言われて門前払いされました。
夫婦は、
「牧師さんが自分達の悪い噂を流すんじゃないか?」
と、思ったのか、牧師さんに嫌がらせを始めました。
牧師さんは、高い税金を払わされて、教会を修理出来ず、挙句の果てには、信者達から村八分にされてしまいました。
夫婦は、贅の限りを尽くす生活を送りに送りました。だが、夫婦は学ぶ努力を一切しなかったので、仕事ぶりはそんなに良くありませんでした。
この事を不審に思ったお巡りさんは、国中を聴き込みに回り、遂には夫婦を捕まえました。
貧しい頃に戻った夫婦は、牧師さんに
「助けてくれ」
と、お願いしましたが、牧師さんは助けてくれませんでした。
1/18/2022, 11:38:43 AM