何かに気がつくと、元気になる。
一人ぼっちのクリスマス。
一人ぼっちの誕生日。
何故かというと、君以外のすべての人を拒んでいるから。
連絡もできない、話もできない、次いつ会えるかも分からない。私は一人だった、クリスマスも誕生日も。それを訴える時間も君にはない。ついにおかしくなって、一年ほどやめていたお酒を飲んだ。その時は良かった、だけど数時間後はもっと絶望的になる。
なんとかこの絶望から逃げようとして、Instagramでいつものお気に入りを観てもダメ、面白い動画を観てもダメ。そして私は泣き出した。絶望的に、死にたいと思うのは、自分の汚い感情と、人生が思い通りにならないもどかしさがあるからだ。床にさっきビール瓶に使った缶切り付きの栓抜きが落ちている。この刃物はよく切れるだろうか。指先で触れると、切れ味の悪そうな刃と分厚さに痛みを想像した。私は非常に痛がりだから、無理だ。人間て良くできてると思った。そうやって痛みが分かれば簡単には死ねないし、感情的な考えだとどこかで理解している。動物って良くできていると気がついて一人感心する。
絶望を考えるのをやめたら、またInstagramを観てしまう。今度は自分の事だけを考えた。今したいこと、心を落ち着かせる時には硯(すずり)で墨を擦ることをしたくなる。硯で検索した。カッコいい職人が出てきて、硯じゃなくてその人ばかり観てしまう。メガネをして硯を造る横顔がかなりイケてる。タグを付けた。自分好みの異性の写真で元気になることに気がついた。何となく浮気してる気分になるからこれまでそういった事は控えていたけど、これはもういいだろう。今度は素敵な音楽が流れたのでスワイプを止めると、硯のショップ広告。覗いてみると、魅力的な硯が沢山。職人は、褒章を受賞している国宝級の職人。値段はピンきりで、観ているだけでも面白い作品ばかり。はじめて検索した硯、知らないことばかりの素敵な時間を体験した。新しい体験は、人を元気にする事に気がついた。
そうしているうちに、心のモヤモヤは消えていた。忘れっぽいせいもあるのかもしれないが。なぜ酷く絶望的になったのか、理由は重なる不運に無能やら何かと色々あるけどそれ以外に、栄養が足りてなかったことに気がついた。睡眠と栄養。いつも飲んでいるサプリも飲めていなかった。忙しかったりしてそれに気づかない時は、気づかないうちに体が弱り、伴って心も弱っていく。食べる事には人それぞれ限界があるから、サプリは私の命綱だ。ただの市販で売っている鉄とルテイン。食べて、サプリ飲んで、寝よう。それに気がついたら、急に落ち込んだ気持ちまでも楽になった。
1/20/2025, 6:19:45 PM