星野 エナガ

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雨よ
人身御供(ひとみごくう)とは、人間を神への生贄とすること。人身供犠(じんしんくぎ/じんしんきょうぎ)とも。また、生贄の「贄(ニエ)」は神や帝に捧げる鳥・魚・新穀などの食物の意味である。(ウィキペディア参照)
私の村はこんな令和の時代には似つかわしくない昔じみた村だ。雨が滅多に降らない。降らなすぎる。そのため、村では神様に生贄を用意する。生贄は20歳から25歳の女が選ばれる。選ばれた家には給付金として、100万もの大金が支給される。私の姉がそれに選ばれた。父も母もそれを受け入れた。
私は姉を尊敬している。姉はかっこいい。そんな姉が生贄に選ばれた。悲しい。悲しい。
私は生贄に神様に差し出された。姉は殺した。生贄にしたくなかったから。この村の神様は子どもを嫌う。きっと雨は降らない。むしろ、日差しは強くなるだろう。姉を生贄とした罰だ。ざまぁみろ。

『神様へ』より

4/15/2023, 7:57:52 AM