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#誰もいない教室 #学校 #生徒×先生 #微百合

これは私、香原 ななと先生(春山 まな)の変わらない日々のお話だ。
いつも変わらない日々を過ごしている私の日常を彼女が一瞬で変えてしまうそんな魔法みたいなお話である。

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私は人混みが嫌いだ。
だから教室に居ると胸がザワザワする。

それでも助けてくれる人がいた、その人が居てくれたから私は学校に行けてるとも言っていいくらいだ。
その人は私を気遣ってくれる。きっと心優しいのだろう。

その人の名前は「春山 まな」という女教師だ。

私は最初話しかけられた時上手く話せなかった。
人が怖かったんだ。友達はいるでも少ない関わりも浅くなってきている。自分は避けているんだと最近分かった。

一番最初話しかけられた時私は怖かったがその中に、嬉しさが何処かにあった。
先生が話しかけてくれた時は昼休みで、私は学校の庭みたいな所あんまり人が来なくてお気に入りなところだ。
そこに先生が来て私は逃げるも出来ずに昼ごはんにメロンパンを食べていた。

「先生……ど、どうしてここに?」

『んー?私もここお気に入りでね。生徒が居るだなんて、私も最初びっくりしちゃったや』


彼女は、そういい私の目を見て優しく微笑んでくれた。
私は彼女の瞳を見ていた。透き通るような黒の目の中に私が写っている。

「先生……も、昼ごはん…食べに?」

『えぇそうね。食べに来たのここ座っていい?』

「あっ……はい」


先生は、私の向かいに座った。先生が私に話しかけてくれでも、少し照れくさくなってしまう。

「先生弁当なんですね。自分で作ってるんですか?」

話を自分から切り出したことなんて滅多に無かった。
自分でもびっくりしたが、この空気を沈黙という言葉にしたくなかった。

『そう。自分で朝早起きして作ってるんだよね。』
「そうなんですね」
『ななさんはメロンパンだけ?』
「はい、いつもよりお腹すいてなくて……」
『そっか食べれる時は食べた方が元気でるよ』

私に向かって言った言葉は、心配とアドバイスだろうか。
ありがたい。これから食べれる時は食べるようにしよう。

2人は昼ごはんを食べながら少しの雑談をし、教室へ戻っていくのだった。

私は考えてた

何故先生とは、話せたんだろうとあの優しい眼に笑顔見ているとホッとしてくる。

それ以来、毎日のように昼休みの時に一緒に食べたりするようになった基本的に先生が来ない日は、仕事がいっぱいのときだ。先生が来ない日は少し寂しい。

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私は2年生であと一年で卒業してしまう。
少し名残惜しいせっかく先生と仲良くなれたのにあと一年だなんて。

そして今日も昼休み行くことに。

珍しく、先生の方が早く着いている。
大体は私が先についているのだが今日は先生が先に着いている。

「先生、今日早いですね。いつもは私が最初に着いているのに。」

『ちょっとね仕事少なくて先に来ちゃった。』
「そうだったんですね。」

『おっ!今日はお弁当だ 自分で作ったの?』

「はい作ってみようと思って作りました。」
『へー上手に出来てるね。』
「ありがとうございます。」

褒めて貰えてとても嬉しい。

いつものように昼ごはんを食べていると凄い先生からの視線がすごい。多分だけれど、私の手作り弁当を食べたいのだろう。そんな予感がしてくる。

「先生食べます?」

恐る恐る聞いてみる

『えっ!いいの?』

予感的中だ。
「いいですよ。食べて」
『やったー!なら頂きます。』

先生は卵焼きを口に運ぶ。

『おいしぃ〜!!』

先生はほっぺを抱え褒めてくれる

『上手に出来てるよ!』

そう言ってずっと褒めてくれた。

そんな日々が続き3年生になった。
相変わらず友達は少なく、教室もあまり居心地は良くない。
担任の先生は誰だろうと思ったその時。
目の前の人物を私は、信じられなかった。
だって春山先生だったのだから。

『今年この担当を持ちます。春山まなです。』
教室は大盛り上がり先生は以外に生徒から人気なのだ。

私は、先生がこの担任を持つことがとても嬉しく、思わず笑みがこぼれてしまう。

先生が私の方を見た、私を見つけたのか微笑んでくれた。
私に向けてか分からないが私はそう受けとった。

自己紹介が終わり最後にこういった。

『この一年を最高の思い出にできたらなと思います!』

クラスは大盛り上がりから収まる訳もなく盛り上がったままだ。
内心私も盛りあがっているというか嬉しい。
仲良くなった先生が離れるんじゃないかってでも、担任になったこれはなにかの運命だろうと勝手に思っている。

そしてまた昼休みには一緒にいつもの場所でご飯を。
その日々がいつも変わらないように続いた。

ある日先生はこう言った。
『あと1年だね』
「ですね。凄く短い気がするのに長い気もしてきます。」
『だね〜私も学生の頃そうだったよ』

「先生は学生の頃何処が好きとかありました?教室でもいいんですけど、ここみたいなお気に入りスポット。」

『ん〜教室かな。うるさいけどそれが落ち着くって言うか、変わらないうるささで、いつも教室に入ると変わらないなと思ってるけどそのうるささが急に無くなると少し不安になっちゃったりしてたなぁ〜』

「…確かにそうですね。」

『でもこう言う静かな場所も好きだよ。』
「逆に私はこういう場所が好きでお気に入りです。」

そう言って話を続け。昼休みはあっという間に終わってしまう。だが教室で会える。

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そして色々あり、卒業。

卒業式が終わり、私は先生を探した。
だが何処にも先生の姿が見えなかった。いつもお昼を食べている場所かと思い、行くがそこにも先生の姿は無い。
少し考え思い出す。

「先生、教室が好きって言ってたなぁ〜…もしかしたら!!」

私はそう思い教室を目掛け走り出す。
ドアを開けると。

生徒が誰一人居ない教室の中。

窓から夕焼けを眺めている先生の姿が一つポツンとある。

……


「先生。私卒業しちゃうよ。」
『そうだね。いつもお昼食べてた相手がいなくなっちゃうや、悲しいね。』
「先生、誰もいない教室好きじゃないんじゃなかったの?」
『うん。いつもの騒がしい雰囲気がないと少し悲しい。』
『みんな卒業しちゃうんだね。……ななちゃん』

先生は振り返り私の方を向き笑顔で言った。

『卒業おめでとう』

その一言で私は涙が出そうになる。
学校の人混みはやっぱり嫌いだでも。学校をいざ去るという時に、少し学校から離れるのを嫌になる。

私は先生に言葉を返した。

「先生。今まで色々とありがとうござました。きっと必ずまた会いに来ます。」

『うん。元気な姿見せてちょうだいね。』

先生は笑顔を崩さずに、涙を流している。

……私は正直この学校から離れたくないだが、離れないといけない。

「先生最後に一緒に写真撮っていい?」
『えぇ。良いわよ』

そう言い私たちは涙を流しながら最後の写真を撮る。

この学校ともとうとうお別れ。

先生お世話になりました。

私は最後に先生と撮った写真をいつまでも自分の部屋の壁に、飾っている。

9/6/2025, 11:19:36 AM