紅茶の香りがする人を好きになった。
いつも落ち着いた風に話し、機智に富んでいる。
かと思えば甘いものに目がない。茶菓子の前にすると目が輝く。
そんな人だ。
そして、私の友達に長いこと片想いしてる人。友達には既に恋人がいると知りながら想い続けてる人。
私と会うより前かららしい。指摘すると苦笑いした。
心のどこかで期待していた。友達を諦めた時、私にチャンスが巡ってくるのでは、と。
だが寂しげな横顔に、後悔が胸を刺す。
酷いことを言ってしまった。
風が吹く。
彼から紅茶の香りがふわりと漂う。
どうしたら、紅茶を飲み干すようにこの気持ちを飲み込めるのだろう。
10/27/2023, 1:47:30 PM