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【突然の君の訪問。】

高校の同窓会に向った彼女。普段は会えない同級生と久しぶりに会えると、数日前からウキウキしていた。
『行ってくるね』とLINEがあり、『うん、気をつけてね』と返信する。元彼とかいるのだろうか。少しだけ心が沈んだ気がした。

同窓会のあとも友達と飲みに行ったりするのかな。
久しぶりに1人で過ごす、静かな時間。いつもお互いがオフの時は家に来て、ゆっくり過ごすことが多い。「暇だ…」


ピンポーン
ウトウトし始めた頃にインターホンがなった。時計をみると、まだ12時は回ってなかった。
扉を開けると、いつもよりおしゃれして、すこしメイクが濃いめな彼女。家の中に招き、リビングのソファに座ると、くっつくように彼女も座った。ただ、顔は下に向け、表情が見えない。
「…急にごめんね」
「大丈夫だよ。帰ってくるの早かったね。2次会とかなかったの?」
「…」
なにも話さず下を向いたままの彼女。何かあったのだろうか。とりあえず、彼女の肩を抱き寄せると、甘えるかのように寄りかかってきた。

「…友達がね、結婚するんだって。私以外、みんな結婚してた。それ聞いて、なんか焦っちゃって…いてもたってもいられなくて…会いたくなっちゃったから急に来ちゃった。…ごめんなさい」
彼女に不安にさせてたのか。
「こっちこそごめん。会いに来てくれて嬉しかった。ありがとう。」

8/28/2023, 10:35:17 AM