唯の虜

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【どうして】



どうして、貴方はいつもいつも周りを比べてしまうの


「この世界にはもう希望などないのだから、だからこそ自分を安心される為に比べるのだ。」


貴方はいつもそうだ。
そうやって自分の為と言いながら私を安心させる。
まるで水槽の中に囚われた金魚みたいにね


「金魚?金魚なんて失礼なこと、私は列記とした人間ですよ。」


貴方はいつもそうだ。
私の気持ちを読み取って冗談を抜かす。
まるでロボットのようにね


「ロボット…そうだね。」


あぁ、やっぱりだ。
そうやって貴方達は容赦なく私の心の中に入ってくる。
まるでこの世を全く知らずに育ってきた子供のように

でも、それも貴方達なりの優しさなのかもね。
そうやって遠回りしてしまうところも、自分自身に仮面を何十枚も着けてしまうところも、全てが愛おしい。


 
この狂った世界で私は今日も一人芝居をする。
仮面を着け、自分のボタンを押し、それから私は生まれ変わる。これが私のルーティーン。

変わることなど何もない。
ただ少し、少しだけ寂しい。
ただそれだけ。それだけなんだ

どうして、どうして、私は孤独で狂っている。


そうか、私は仮面を着けすぎたんだ。
それだけなんだ。ただそれだけなんだ。

そして、今日もこの狂った世界で私は一人芝居をする。
仮面を着け、自分のボタンを押し、それから私は生まれ変わる。
これが私のルーティーン。 


ただそれだけを仕事とするロボット。
疑問など要らない。それが私の仕事だ。
任された仕事をするだけ。疑問など要らない。





『あれ、どうして私は仮面を着けるの』





どうして私はもう誰もいない世界で仮面を着けるの。

あっ、そっか、それが私の望みだからか

1/14/2023, 3:16:49 PM