~蝶よ花よ~
魚よ海よ
鳥よ空よ
獣よ山よ
どんな姿でどんな生まれでも
人は子を愛おしく思い、そして
慈しむことが出来るだろうか
誰がなんと言おうと
あの子は私にとって
かけがいのない愛し子
~上手くいかなくたっていい~
何歳になっても どんな経歴でも
初めてのことは初めてで
上手くいったと思っても
後でダメになったり
案外ダメだと思ってたことから
上手くいったりするから
やってみるしかないのだろう
その結果を悔やむのは後でいい
ダメで元々なのだ
~終点~
いくら考えても、この結論に達する
これで決着がつく
他に手はないのだ
~麦わら帽子~
風に煽られて空に舞った麦わら帽子を
君は空中でキャッチした
持ってくる時に引きずったから
帽子はボロボロになったけど
有り難うと声をかけて撫でると
君はとても嬉しそうに声をあげた
~君の奏でる音楽~
この曲をかけると君は必ず大きな声で歌い出した
その様子が一生懸命で可愛くて
ついつい何度も曲をかけた
~心の健康~
数々の君との思い出が脳裏を過る
どれも楽しいものばかりだ
これからも君と楽しい日々を
送れると思っていたのに
それが邪魔されるのは我慢ならない
定年退職して、田舎に引っ越した
辺りは自然が多く静かな所だった
悠々自適の生活だ
隣人さえマシならば更に良い
我慢ならないのだ
~自転車に乗って~
たとえ文句を言われたとしても
ちょっとしたニアミスだと
言い返してやる
大事にしたいわけではない
ただ少し憂さ晴らししたいのだ
~夜の海~
一人になりたくて夜の海に来た
細い月が海面に光の帯を照らし出す
バカバカしくて、大声で笑いだしそう
なのだ
都会の煩わしさを逃れて来たはずが
隣家は偏屈ジジイで飼い犬もアホ
朝早くから鳴くし、庭から勝手に
色んな物をもって行く
この前は、ジジイが
「うちの子が拾った」と言って
ボロボロになった麦わら帽子を偉そうに返しに来た
まったく話にならない
庭には柵を増やしたり
犬の嫌いな匂いスプレーを撒いたが
未だに物が無くなる
ついには落とし穴も掘ったりした
今日もちょいと脅かしてやろうと
自転車で隣をビュッと通りすぎることにしたのだが…
~誇らしさ~
隣に引っ越してきた男は、いつもうちに
文句をつけてきた
犬の鳴き声がうるさいだの、庭の物が無くなる等と
鳴き声は鳥、多分サギだろうし
物もカラスだろう
冤罪だと言っても聞く耳持たない
そして、いつもの嫌がらせ
今日もうちの子の散歩道で横スレスレをすごい勢いで駆け抜けようとして…
うちの子が突然飛び出したのにはビックリした
あの男がハンドルを切り損ねて
田んぼに落ちたのにも驚いた
さらに目の前を軽トラが猛スピードで横切ったのには肝を冷やした
結局、あの男も自転車も泥だらけになったが、軽トラに轢かれることなく助かり
今では、うちでお茶を飲みながら将棋をするようになった
「どうだ、思いしっただろ。
うちの子の賢さを!
お前を助けたんだぞ」
8/16/2023, 11:32:15 AM