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人と向かい合わせになって喋る時、どうしても自分より目の前にいる人間の方が幸福だと思ってしまう。
ゆったりとした雰囲気を持つ相手なら慈愛に満ちた存在に、鋭い雰囲気を持つ相手なら一種の生きた哲学に触れているような感覚を覚える。
私はそんな人をずっとずっと愛し尊敬し敬うと同時に強烈な劣等感を覚えていた。
私も美しくなりたい。その一点に支配されるのだ。
醜い、これこそ醜さの根源だと思いつつ張り付いた笑顔で相手を尊敬し続ける。
愛憎表裏一体とはこういう事を言うのかもしれない。
自分が足元にも及ばない美を享受しそれに焦がれ醜悪な魂を晒し続ける。
つらくて苦しいのに他人は存在し続ける。
こんな私は一体他人にどう見えているのだろうか。

8/25/2023, 11:32:19 AM