私の日記帳
「……なことがありました。うーん、つまらない」
日記を書きながらそんなことを呟く。その日あったことを書くのだが、あまりにも書いていてつまらない。思ったことというのがどうにも思い浮かばず、それがつまらなさに拍車をかけている。
毎日ドラマのような出来事があるわけがないのだが、それにしても単調な日々だ。
辺りを見渡す。白いベッドは薄い水色のカーテンに囲われている。その外には見飽きた景色。部屋の中は見飽きた病室。毎日毎日投薬の日々。変わらぬ毎日ではつまらないのも当然だった。
「なんか、面白いことでも起きないかしら」
日記の最後にそうしたためる。いつ治るとも知れぬ病がもたらす苦痛も、最早彼女にとって飽き飽きしたものだった。
「……つまらない」
ベッドにぼふりと倒れ込みこぼす。
日記に綴る変わらない日常に押しつぶされそうだった。
8/26/2024, 10:44:45 PM