旅路の果てに
旅人は皆、此処ではない何処かへ旅に出る。
居場所の無い自分が居るべき場所を求めて。
だが、居場所など何処にも無い。
でも、何処にでもあるのだ。
居場所は誰にも用意などされていないし、
相応しい誰かを待っている場所もない。
私が立つこの場所も誰かにとっては
此処ではない何処かになりうる。
誰かが立つあの場所も私にとっては
此処ではない何処かなのだ。
人は皆いつも孤独で浮いている。
何かを隠して笑顔で生きるのだ。
誰も他人の笑顔の裏側を知ることはない。
だが、それを知ったとき気付くことができるだろう。
此処ではない何処かなど無いということを
居るべき場所など何処にも無いということを
在るのはいつもの現実で、
そこには孤独を抱えた人々が生きる。
そして、自分も彼らと同じ孤独を抱えた一人である。
そう気づいた時に立っている場所が旅路の果てになるのだろう。
1/31/2023, 3:32:15 PM