ぺんぎん

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自らの視線の先で、果てて朽ちるあなたの姿など容易に想像できた
どすぐろくてどろどろした気配はどんどん私を包み込んでいる
運命なんてものよりはるかに繋がった
ああ五月蝿い、秒針が急かすようにかちかちと音を鳴らす
空虚に溶けた吐息が嗤っている、嗤うな、嗤うな
焼けきれそう、燃え尽きていく

ふといまさら貪欲に愛を求めていたことに気がついた
咄嗟によろけて、くたくたになって崩れてって
だらしなくあんぐり空いた口、瞳から決して綺麗だとは言えないものが溢れる
胃の奥があつくて苦しくて悔しくて、染みのできた赤いソファを蹴る
じんわりと熱を帯びて、痛かった

5/20/2022, 12:07:30 PM