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君と最後に会った日


わたしの心の底にある、あの子との思い出。中学の授業が終わった後に、あの子の家に遊びに行った。結構大きな家。商売をやってて、サラリーマンの家の子のわたしはびっくり。


でも気があった。好きな男の子の話、将来の話、家庭の内情の話。なんでも話せた。

夏休み、あの子の家にひとり遊びに行った日。あの日がふたりだけで会った最後だったのかな。

高校進学して学校は別々。携帯などなかったあの頃は連絡するのも一苦労。だんだん疎遠にはなつた。


大学進学が決まり、家を離れることになったわたしに、結婚式の招待状が届いた。あの子がお婿さんをとって結婚式をするのだ。家を継ぐための縁談と人に聞いた。あまりの急な話に言葉もなく、連絡さえ出来なかった。


わたしの入学式と重なったあの子の結婚式。
わたしは入学式に出席し、学生生活に慣れるため必死だった。
あの子の事は忘れて暮らした。


風のうわさで、家業の商売を夫婦で継いだこと、女の子が産まれたことなど知った。わたしは心の中で、結婚式に出席出来なかったこと、疎遠になったことを詫びていた。


月日は過ぎ、わたしの子育てもひと段落した40歳半ば、思い切ってあの子に年賀状を出した。住所が変わってないのが救いだった。頑張ってやつてるよ、と寒中見舞いを貰った。凄く凄く嬉しかった。あれから、年賀状のやり取りだけだか続いている。会おうという話にはならない。わたしとの縁は薄い人なんだな、と思う。

長く生きていれば何かが、縁を遮ぎるような出来事が起きます。それで心残りなら、自分で縁を繋ぐことが大切なんだと思いました。

6/26/2023, 12:51:42 PM