～嵐が来ようとも～

「嵐が来ようとも俺は絶対お前を助けに行く。だから結婚してください」

これは、貴方が私にプロポーズしてくれた時の言葉。
本当に嬉しかった。

だから私はこう言った

「こんな私でよければお願いします」

そう言って私達は結婚することになりすぐに籍を入れ、海の近くで結婚式を開いた。

そして、もうすぐ念願の第1子が誕生しする。


～～～～～
「今日は、嵐と風が強い見たい。気をつけてね…」

「あぁ心配ありがとう、すぐ帰るようにするよ」

ﾊﾞﾀﾝ

そんな会話をして夫は出ていく。
「すぐ帰るよ」
そんな言葉を私は何度聞いたことか、それでも最近帰りが遅い。
いつもは早くて6時、遅くても10時前には帰ってきていた。
なのに最近は12時を回っても帰らないことが多々ある。
しかもほんのり女の匂い。
私は悲しくて、大好きだからこそ。
だけどね触れないようにしていた
分かってしまったら怖いから。

ﾋｭｰ ｶﾞﾀﾝ

そんな音がした。
風が強くて窓が空いたかな？
そう思っていた。
その直後震度６強の地震が起きた、東日本大震災を思い出す。
その頃私はまだ生まれていないがその大変さは学校でよく習っていた。
私はお腹の子のことも思い咄嗟に机の下に身を隠した。
でも…………意味がなかった上からタンスや食器、色々なものが落ちてくるその衝撃で机も割れてしまった。
でも…まだ色々なものが落ちてくる。

痛くて痛くてたまらなかった。

その時にあの人に……夫に言われたことが頭をよぎった。


「嵐が来ようとも俺は絶対助けてみせる」

あぁ……あの時は幸せだった。
涙が止まらなかった

あの人は今誰と居て何をしているのか。

私の赤ちゃん。

産んであげられなくてごめんね…

その直後、救急車のサイレンとともに私の命は耐えた。

7/29/2023, 11:30:07 PM