廃寺夜想曲*

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意味が無いこと、
それは死にたいと哀願すること。

願っているだけで、死ぬ覚悟なんかない人がすること。

生きたいと、行きたいと、夢見る彼らの声援を踏み潰し、
生きとし生けるものの否定。
同時に、自分自身に対する、肯定。




戻りたいと、願ったことが人生で一度でもあるなら、

それはいい人生。

誰かに会いたいと嘆き、求めるのは、

夢みたいな誰かの笑顔に惹かれたから。


今この瞬間にも、止まっている時間なんてない。
波打っているし、地球は呼吸をしているし、君が好きな誰かも、誰かを想っている。


廃寺に溢れる神霊な空気は、
君を想う曲へと変化し、
薫風のかおる春に、夏の勇壮さに浸る。
秋の侘しさの中、しんしんと積もる雪に、誰かの溜め息が混じる。



気が付いてくれるよね。


11/8/2022, 10:09:02 AM