【げんちゃん】
小学生の頃 げんちゃんという友達がいた。
初めは向こうから遊ぼうと誘ってきて外でボール遊びや靴飛ばしやら公園で遊んでた。
何人かでげんちゃんと一緒に遊んでた事もある。
基本的にげんちゃんと遊ぶ時は外でしか遊ばない。
家で遊ぶ時は僕の家に来てテレビゲームをやっている。
主にやるのはシューティングゲームだ。
シューティングゲームはめちゃくちゃ上手く最初からスタートして死んだのは3回程で最終面まで毎回行くという上手さ。
そして、げんちゃんは運動神経も良いし50m走も早いしサッカーさせてもドッチしても上手くて目立つ
しかも面白いしクラスの人気者だ⋯。
頭は⋯そこそこ悪いけどね。
友達も多い人だが、ある時から僕はげんちゃんと遊ばなくなった。
それは僕の家にげんちゃんが来た時に僕の漫画を盗んだからだ。
始めはげんちゃんが盗んだとは思ってなかった。
そこまで無くなっても困るほどの本でもなかったが苦労して手に入れたから割とショックだった。
めっちゃ探し回ったけど見つからなかった。
まあ自然に無くなくしちゃったぶんは仕方ない自分の責任だ。今度は二度となくさないようにしようくらいに思ってた。
ところが、ある時に外で何人かと遊んでた時にげんちゃんの持ってたカバンの中身が、たまたま見に入った。
中に僕の家で無くなった漫画と同じ漫画が入ってた⋯。
もしかして⋯コレって僕のか?
げんちゃんは遠くの方で遊んでいるのでバレないように中身を確認した。
パラパラとめくると途中ら、血がついて一部茶色くなったページがあった。
確信したコレは僕の漫画だ⋯血のついたページは僕が鼻血を流したのが着いたからだ⋯その時の跡が間違いなく残っていた。
漫画を元に戻しげんちゃんがコッチに来た時に聞いてみた。
『この漫画って僕の本じゃないよね?』探りを入れてみた。
「え?俺が買った漫画やけど?」
『そうなんだ⋯』
このやりとりで終わった。
コイツとは、もう二度と遊ばないと思った。
その漫画は自分が親のお手伝いをして貰えるお金をかき集めて買った漫画だ⋯。
僕に嘘をついてまで欲しかったのか?
腹が立つのを通り越して冷めてしまっまって呆れてしまった。
盗んだ上にサラッと自然に嘘をつく。
『あ〜コイツこの程度の人間なんだな、しょうもない奴だ⋯嘘ついてまでその漫画欲しいのか?何が人気者だ⋯周りはコイツの明るさに騙されてるんだ⋯とんだ嘘つきだな⋯』
とうやら僕にとって、げんとやらは嫌いを通り越して、どうでもいい、その辺歩いてる他人に格下げされたらしい⋯。
漫画の事も追求はしない、欲しけりゃくれてやる⋯アホらしい。
それからは、アイツとは一切こっちから話しかけることは無かった。
話しかけられても話は適当に流す⋯遊びに誘われても断る。
暫くしたら、アイツとはお互いに一切関わらなくなった。
そんな感じで中学になり、中3になった時アイツの話を聞いた。
アイツはサッカーが上手く県代表で呼ばれる程、上手かったがアキレスを断絶してサッカー出来なくなったらしい。
その話をしてくれたヤツは『ざまあみろ!アイツ頭、悪いからサッカーで特待生で高校行くつもりだったらしいけど終わったな』って言われてた。
アイツはどうやら一部で嫌われてるらしい⋯まあ、しょうがないけどね。
俺はアイツのこと嫌いというか、どうでも良い存在なので、ざまあみろとかは思わなかったけど⋯可哀想ではあるなとは思った。
因果応報ってやつなのかな?
悪い事は出来ないものだな…。
あと、どうでもいいけど盗まれた漫画はエロ漫画ではない事を最後に書いとく(笑)
テーマ【友だちの思い出】
7/6/2023, 11:08:24 AM