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快晴
「快晴」という言葉は私にとって気分が晴れやかになる、ポジティブな言葉だ。
この言葉を見ると、肌を照りつける強い日差し、鼓膜を強く振るわせる蝉の鳴き声、マスクの中に充満する日焼け止めの香りを連想させる。
桜が散り、梅雨を終えると夏がやってくる。
時にはこの快晴が、嫌という程私に、雲一つない純粋な表情で見つめてくるのだ。





雲一つない青空だった。
セミの声は一向に鳴り止まない。
じりじりと日差しが肌を照りつけた。
空と現実との矛盾に、ずっとイライラしていた。
部活から逃げだした。私が弱いからだ。
何もかも投げ出したかった。

4/13/2024, 3:35:38 PM