ぺんぎん

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ふたり、ただしんとした冷たい空気にさらされて歩いていた。わたしは、もっとたくさん、きみとたくさん話がしたかった、でも、声が上手く出せなかった、あじさいが、喉に詰まった、そんな気持ちがして。言葉などふたりには要らなかった、互いが互いを思ってはじめて生まれる沈黙がビニール傘に這う雨をひからせていた。

6/6/2023, 11:06:14 AM