チン、とトースターの音が鳴った。
淹れたてのコーヒーの香りが部屋に広がる。
用意していた皿にトーストを乗せ、
マグカップと一緒にテーブルへ。
朝よりも少し遅く、昼よりは少し早い。
そんな、緩やかなひととき。
今日は完全に休みなのは確認したし、
家でのんびりと過ごそう。
そう思い、トースト片手に新聞紙を開く。
普段は新聞なんて読まないけど、たまには良いだろう。
遅めの朝食を食べ終え、コーヒーも残りわずかの時。
1件の通知音をスマホが奏でた。
『おはよ!起きてる?…』
唐突なメッセージ。
よく見れば続きが途切れている。
何を送ってきたのだろうか。
アプリを立ち上げる。
相手とのトーク画面。
それを見るやいなや、
はっとしてすぐに玄関まで駆けていった。
───『突然の君の訪問』(2024.08.28.)
8/28/2024, 10:58:09 AM