受験生

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なにか魅力を感じる。惹き付けられる。〈みんな〉が好きで、嫌う者はあまりいない。ただ、そんなものは実存するのであろうか。何かを好む者がいれば必ずその反対の者もいるのではないか。反対の者が極少数である場合、だいたいは切り取られ海に捨てられる。捨てられた我々はやがてどこへ行くのか。深海の誰も到達したことのない暗闇も暗闇か、蒸発する海水に混じって雲となるか。深海に辿り着く者はそこで何を見るのか。雲になればやがて雨となる。雨は恐ろしく圧迫の大陸を濡らして――土を真っ黒に染めていく。暗いところには明かりが欲しいだろうと救世主であろうか花が咲く。「救世主様ありがとう、救世主様!」真っ先にすり寄るものが実は1番世渡り上手で魅力的。だけどやっぱり好きにはなれない。
「モンシロチョウ」

5/10/2023, 11:53:18 AM