あの日、私は何かから逃げていた。天変地異か、人殺しか、それとも別の何かか。私はそれが何者なのかもわからず、悲鳴をあげて逃げ回るオーディエンスと共に駆け出していた。追いかけるそれの視線は、まっすぐ私を捉えて離さない。刹那、私に襲いかかってくる瞬間──強引に目を開けた。冷静に考えたら夢だというのはわかってはいるのに、あの瞬間は確かに現実のように感じられる。夢というのは不思議なものだ。
5/31/2023, 3:19:42 AM