汚水 藻野

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「……ぇえ〜…やりたいこと?私のやりたいことってなんかある?」
私は部屋で本を読みながら優雅にコーヒーを飲んでいる恵爾に問いかけた。恵爾は私の方へ顔を上げた。
「どうした急に。てか知らねぇよ」
「いやさ、今日のお題『やりたいこと』なんやて」
「お前のやりたいことなんて九条さん殴るとかしかなくないか」
「私のことなんやと思っとるん」
「アホ」
「それは当たり前やん」
そう言うと恵爾は飽きたとでも言うように溜息をつきながら読みかけの本を読み始めた。
「……あ、一つ思いついた」
「…?」
読みかけだと言うのに(またなんか喋り始めたこいつ…)というような顔をして私の方を見る。

「勝に日頃の恨みと行いを込めて殴りたいな」

恵爾、また本に視線を戻す。
「え〜、もうちょい興味持ってくれても良くない?」
「人が殴られるのに興味持つ人間になりたくねぇな」
「えー仕方ないなー、ほんなら今日は恵爾とキン〇マ殴りしよう」
「それは俺がやられるのかがやられるのかどっちなんだ」

「いやこっち見てニマニマすんな怖えな」



拝啓、キ〇タマ殴られた九条勝

今日も平和です。_2023.6.11「やりたいこと」

6/11/2023, 7:18:35 AM