柳絮

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私だけ


「お前、変だよ」
「気持ち悪い」
「こっちにくんな」
みんなが私を睨む。その眼は金色で、体は白い毛に覆われている。
水に映った私の眼は灰色で、体は緑。水辺の苔むした岩みたい。
「いたぞ、色違いだ!」
「こりゃ高く売れそうだ」
きな臭い生き物に追いかけ回され、逃げているうちに群れに戻れなくなった。
「迷子か。おいで」
立派な角を持つその生き物は、私と同じところはひとつもなかったけど、優しかった。
私達は家族になった。

7/19/2023, 2:42:15 AM