[ハッピーエンド]
「桜の下には死体が埋まっている」
君はこの言葉を聞いた事があるかい?
私は、既視感を感じた
それは昔、この公園で出会った男の子が言った言葉だった。
その男の子は綺麗な黒髪で宝石のような青色の目をしていた。
そう、今目の前にいる人がそのまま小さくなったような…
「小さい頃、聞いた事があります。なんで急にそんなことを話したんですか?」
「…覚えていたのか。とっくの昔に忘れていると思っていた。」
「そう思うのならなぜ聞いたのです?」
「覚えてくれていたらいいなとは思っていたんだ。
ただ数日話しをしただけの仲だったし、期待半分だったけど。」
「忘れるわけないじゃないですか。あまりにも急すぎてずっと印象に残ってます。」
「…嬉しいよ。僕はずっと君に会いたかったんだ。
この街に戻ってきて、君に会いに行くか迷ったんだ。
もし、忘れられてたら…って考えてしまって。
でも会えてよかった次に会ったら伝えようと思っていた事があったんだ。」
「…なんでしょうか。」
「あの頃からずっと好きだった。付き合って欲しいとはまだ言わない。だけど、これから君の今までを知りたい。僕の今までを知って欲しい。」
「ふふ。私もあの頃からずっと好きですよ。
でも再開してすぐですのでこれから一緒にお互いを知っていきましょう。言いたいお話がいっぱいあるんです。」
「…ありがとう。いっぱい聞かせてくれ。」
これは、長い両片思いに名前がつく前のお話し。
3/29/2023, 1:18:09 PM