睦月

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『ずっと隣で』

キミが産まれて
初めて家にママと帰って来た日
「今日からよろしくね。お兄ちゃん」
ってママに言われて
ちょっとうれしかったんだ
「絶対ボクが守ってあげる」
キミの寝顔を見ながら思った
それから毎日
キミの隣が ボクの定位置
オムツの交換をママに知らせたり
夜泣きするキミをあやしたり
寝返りやハイハイも
ずっと隣で見守った
言葉を覚えて
「ちゅき~」って
ぎゅっとしてくれるのがうれしかった
幼稚園 小学校
家に居ない時間が増えて
少し 寂しくなった
それでも 家に帰って来ると
一緒に本を読んだり
散歩したりして一緒に過ごした
中学校 高校
大きくなるにつれて
一緒にいる時間も少なくなって
それでもボクは
キミが 何かに悩んだり
落ち込んでいる時は
ずっと隣で寄り添った
キミがぎゅっとボクを抱きしめ
声を殺して泣いてたこともあったね
大学に行くために一人暮らしをすると
家を出る時 
ボクのこと嫌いになったから
いなくなるのかと悲しくなった
もうずいぶん歳を取ったし
ボクの役目も終わりかな?って
でもキミは
いつものようにぎゅっとして
「大好きだよ」って「いってきます」って
言ってくれた
だからずっと待ってた
キミが帰って来るのを
体がだんだん動かなくなって
歩くこともできなくなっても
キミを待ってた
「お帰り」って言いたくて
また ぎゅってして欲しくて
でも…そろそろお別れかな?
心配しないで
ボクはいつもの
ずっと隣で見守っているよ
だから 泣かないで
いっぱい「好き」って言ってくれて
いっぱいぎゅってしてくれて
ありがとう
たくさんの思い出を
ありがとう
キミの家族になれて
本当に幸せだった
大好きなキミの隣に
ずっと居られて
本当に幸せだった
ありがとう…


3/13/2023, 11:10:46 AM