今日は風が強いのか。 はたまた時間の流れが早いのか。
凄まじい速さで流れる雲を呑気な顔をして見つめる。
時間の流れにプレッシャーを感じ、焦りを見せる余裕のない自分を情けなく泣きたくなった。
いつも私は『焦り』を感じる。
良くも悪くもあるのかもしれない。
だがただただ不愉快だ。
なら焦らなければいい。
そう思うかもしれないが自分の感情をそこまでコントロールできるほどの精神年齢は持ち合わせていない。
少し湿っている芝生を肌に感じながら
中学生の頃の数学の先生を思い浮かべる。私は人に興味をあまり持たないし嫌いでもあるだがその先生は
イケメンだから好きだった。というのもあるが
性格もすごく私の好きな方だった。
やる気を人に押し付けないタイプだった。
その子がやると決める時まで待つ。
やる気が出たならその子を全力で応援する。
私は体育祭や音楽祭などの「クラスで団結しよう!必ず優勝しよう!」というやる気が嫌いだった。
かっこいいからでは無い。ただその子がそう思えばそれに従えばいいが、なぜかこちらにまで強要してくるのが気に食わなかった。
その数学の先生は教えるのもとても上手だった。私は元々数学は壊滅的なのだが、その先生になってから50は点数が伸びた。自分でもすごくびっくりして、先生が教えてくれたおかげですと伝えても、それは君が頑張ったからで俺のおかげではないんだよと。性格までもイケメンだった。
気持ちが悪いが匂いまですごく甘いフローラルな匂いがしていた。フェロモンと言うやつなのだろうか。
私は今もその先生が忘れられない。その先生が大好きで、中学二年生になった春、その先生が担任では無いのがすごく悔しく泣いてしまった。その時は胸が締め付けられ死にたくなる気持ちまであったが、今はそれは思い出話。
ポツポツと雨が頬に当たった。先生との思い出の場所を後にし、あの人がいる家まで走って戻ろうか。
私の心はとても快晴で太陽がキラキラと輝いていた。
5/4/2023, 3:59:13 PM