駐車場に車を止めて
2人で海に向かって歩を進める
「夜の海って怖いね」
「なんか動き始めそう、ぐわぁって」
「え、めっちゃわかる」
「攫われないでね、絶対」
「任せて」
久しぶりの海にテンションが上がったのか
どんどんと君は先に進んでいく
ほんの少し立ち止まっただけなのにもう海の中にいる君と砂浜に立つ自分
「待ってってば!」
急いで追いかけて背中に飛びつく
「うわっ」
2人分の重みを受け、水が飛沫をあげる
「着替え持ってきてないのに何すんだよっ、びびったぁ」
「びしょ濡れだ」
2人で同時に髪をかきあげた
ふはっ、同時に笑って仰向けに海へ浮かぶ
「服どうしようね」
「夜だし…なんとかなる?」
「適当かよ」
波に攫われないよう、しっかり手を繋ぐ
人魚姫は最後泡になって消えてしまったけど、
自分たちなら大丈夫
何があっても消えることはない
だって結ばれる運命なのだから
8/15/2022, 2:18:12 PM