白いもやの世界
とても優しい世界に
僕はいた
ふんわりなめらかな布に包まれて
誰かに頭を撫でてもらっている
その人は手以外姿が見えなかった
街中でそんな格好をした人に触れられたら
間違いなく恐怖を覚えるだろう
だがこの人には
なんの恐怖も感じなかったし
むしろ心地よさまで感じていた
ふいに、まどろんでいた意識が
ふ、と浮上する
数秒ほどぼーっとして
ここは自分の部屋で
先ほどまでの光景が夢だと気づいた
僕のことを優しく撫でてくれたあの人は
誰だったのだろう
7/10/2023, 1:50:19 PM