13歳!

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今日も上司が叱ってきた。
しかも凄い理不尽に
同じグループの奴がミスしたからだって
俺は何もしてないのに何故怒られるか
ハァ……、
こんな事を考えていたらきりがない
可愛い子供と妻達の事を考える。
…早く帰ろう。
子供と妻だけが俺の支えだ
疲れ切っている、自分の体に鞭を打ち、
急いで帰る。と言っても家もすぐそこ。

自分の家が見える。車に乗ってる時に取り出した暖かい鍵を刺す。
電気の付いた明るい部屋に家族が自分を待っていると思うと、微笑まずにはいられない。
扉を開け、大声で「ただいまー!!」と声を掛ける
すると子供達が玄関まで走ってやって来る
後から妻が子供達を見守るようにやって来て、俺に優しい声で
「お帰りなさい。」と言ってくれる。



もうそれは1年前の話だ。
妻と子供は死んだ
丁度、1年前の12月25日のクリスマス。
俺がケーキ屋に、クリスマスケーキを取りに行っている時だった。
1本の電話がきた。′′妻と子供が亡くなった′′
と。その言葉は本当に印象強く、1年経った今でも勝手に脳内で再生される。

子供たちがわくわくしながら、ラッピングをはいで、やったー!!欲しかった奴だ!
とあまりにも喜ぶのでクリスマスは好きだった。
だが、今年は違う。いや、今年からは。か…

俺が死ねば良かったのに。何故 俺が生きているのだ。俺の家を強盗して俺の妻を、俺の子供達を滅多刺しした奴を殺してやりたい。
だがもう警察に捕まり、終身刑を言い渡されたそうだ。
俺の妻と子供は怯えながら、痛く、苦しい思いをして殺されたのに、
そいつはのうのうと生きているのだ。

鞄から冷たい金属の鍵を取り出し、鍵を刺す。
虚しくなるだけだと分かっているのに、
ただいまと呟く

暗く、クーラーの音すら聞こえない、静かで、大きい家。誰もいない。
散らかった廊下を歩き、机の前に座る。

ふと、子供の喜ぶ顔を見て妻と顔を見合わせて微笑んだ時の光景を思い出し、
ほとんど空席の、無駄に大きい机を思いっきり叩いた。
「バン!!!!」
家中にうるさいのに、静かな、悲しい音が鳴り響いた。



     ~静寂に包まれた部屋~

9/29/2023, 2:54:34 PM