書上 創

Open App

埋まらない孤独と、拭いきれない寂しさに、払い除ける事も出来ない苦しみのぬかるみに足を取られて動けない。
現実から逃げたくて、始めた趣味…絵を描くという、活動。
最初は、上手くいかなくて…自分には才能が無いんじゃないかと投げ出したくなった。

けれど、続けていくうちに、少しずつ、少しずつ…自分の絵が上達していくのを感じて、嬉しかった。
恐る恐る、描いた絵をネットに載せた。
初めて貰った、家族以外の人間からの評価…

それだけで満足したら良かったのに、それに味をしめて、それの為だけに絵を描く様になった。
けれど、人からの批判の言葉で心が折れかけて、目が覚めた。

自分の描きたいものに、今一度目を向けた。
現実逃避がきっかけで始めた絵は、いつしか現実に戻る為の近道になっていた。

絵を描くという仕事が、私の現実に色を付け始めたのだった。

2/27/2024, 11:52:29 AM