"何もしなかったら奇跡なんて起きない"
    わたしのママはそう言った。
    だから考えるより先に足が出るようになった。
    「いつも助けてくれてありがとね」
    わたしの友達はそう言った。
    だから御礼を言われるようなことが当たり前になった。
    「なんで優等生ぶってんの?」
    わたしのクラスメイトはそう言った。
    だから夢を軽率に語らず謙虚になった。
    「いつもうちらの事見下してるでしょ」
    わたしの友達はそう言った。
    だから馬鹿げたレースにも目を向けるようになった。
    そして気づいた。
    「どいつもこいつもアホばっかり…
    まあ、私もそうだけどさ。
    こんなんだから何もできないんだ。
    日本って国は、進化できないようになってるのか?
    何も出来なきゃ、奇跡もクソも起きねーよ。」
    わたしこそ、君こそ、お前こそ、
    奇跡を起こせる人間たち。
    個性豊かに生きようぜ。それを咎める者こそ何も出来ない人間だ。
    わたしはそう気づいたとき、止めたままだった足が動いた。
    大々的な夢を宣言していった。
    馬鹿げたレースに出ず、私自身のレースに出ていた。
    「"自由"に出会えるまでも奇跡!」
_2023.11.18「たくさんの想い出」
11/18/2023, 1:56:00 PM