「天気の良い日に限って、出かける用事が全然無いのよね」 ため息混じりに瑠美は呟くと、冷たく縮こまった洗濯物を一つ一つ広げて干していく。「ねぇ見て。すごいよ。雲がうさぎさんみたい」「ほんとだ」 家のそばにある公園の辺りから、子供たちの甲高い声がする。 瑠美は空を見やったが、すぐに視線を戻した。 雲のうさぎさんよりも、早く洗濯物を終わらせて部屋に戻り、こたつに入って暖かいコーヒーを飲みたいからだ。
1/6/2024, 12:03:56 AM