「空がなく、あなたが笑えるように。」
そんな歌詞を聴きながら曇りがかった夜の中、川沿いを散歩する。
何も考えることもなく、夜にバラードをかけながら歩くのはなかなか感傷に浸るし、さみしい気持ちになる。
少し歩いていると、音楽をかけていたスマホが震える。
画面を開くと友人から川沿いの写真が送られていて、僕が歩いている場所からさほど離れていない場所だとわかった。
「よかったら話そうよ。」
そんな僕の返信から、僕達はこの先の道で会うことになった。
やがて、お互いの顔が見えると
「や、じゃあ行こうか」
その一言で二人は、横並びで歩きながら他愛のない話をしながらなんとなくずっと歩く。ふと、彼女はいつの間にか曇り空から顔を出した月を見てから、僕の顔を覗き込んできた。
「今日の空、きれいだね。」
僕は、照れくさくて少し笑ってしまった。いつの間にかさみしい気持ちはどっかに消えていた。
9/16/2024, 4:31:52 PM