いぶりがっこ

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 悪夢だったり、悪夢とは言わずとも夢見の悪い夢ばかり見る。寝ること自体は好きだが、目覚めは良いに越したことはない。どうにかならないものかと私は考えてみた。

 私の悪夢パターンのひとつは、目的地に延々たどり着けないものだ。身体が異常に重かったり、道に迷ったり、ゴールが動いて遠ざかったりする。

 そこで私はテレポートを習得してみた。無論、夢の中での能力である。
 「頑張っているのに到着しないなあ」と思ったら、ふと唐突にこれが夢だと理解して、瞬間移動できることにして、無理矢理目的地に行ってしまうのだ。
 特定の状況下で明晰夢にしてしまうイメージだ。最初から最後まで明晰夢を見ようとするのは難しいが、ごく限定的になら意外とできる。私はできた。

 なんともチートじみた対処法だ。実際チートなのだろう。実践してみたところ、夢はそこで停滞してしまって折角の目的地なのに何も起こらなかった。
 ゲームでいうところのフラグ立てをすっ飛ばして進んでしまったようなものだ。本来のイベントは起こらず、ほとんどフリーズ状態になった。
 つまり延々目的地目指して右往左往行ったり来たりするのが正規ルートだったというわけか。目覚めてからの私はひどく落胆した。このタイプの夢は疲れるのだ。

 それからも気づければテレポートを使ってみている。目的地に着いても、フリーズした経験のせいか、どこかバグったような挙動の夢になる。夢のくせにままならない。
 こんな対処法なんて不要な、いい夢だけを見られればいいのに。

1/13/2024, 1:17:10 PM