それでいいんだ。
遠ざかる仲間の背中を見てそう思う。
世界の滅亡をかけた今この時に自分の命の使い方はここしか無いと思った。
「ここは俺に任せて先に行け」
あまりにもテンプレートな先程のセリフを思い出して少し笑みがこぼれた。
目の前には自分1人で立ち向かうにはあまりにも絶望的な敵の姿がある。
「さぁやろうじゃないか。俺の一世一代の晴れ舞台だ。」
ボロボロの身体で地面に横たわっている。敵は今どうしているのか、それすら分からなかった。最後にたたき込んだ渾身の一撃は痛打を与えることができたのか。
「まぁ俺にしてはよくやったほうか。」
1人つぶやく。
視界が霞んでいく中で、何故か仲間の泣き顔を最後に見た気がした。
「あなたはこれで良かったのですか?」
脳裏に最後にそんな言葉が聞こえた気がした。
【とある勇者一行の伝説より】
4/5/2026, 5:04:23 AM