金平糖

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 恋人がいる同僚が羨ましい。
 結婚した知人が羨ましい。
 子どもがいる友人が羨ましい。

 絵が上手いあの人が羨ましい。
 書籍化したあの人が羨ましい。

 私に何かないかと。
 両手を広げて、閉じて、また広げて。
 何もないことに、ひとりまた、涙する。

 でも、きっと。
 ひとりで、自由に、やりたいことをやる。
 こんな私を羨む人が、いるはずだ。

 隣の芝生は青い。
 隣の花は赤い。

 皆、自分にないものが眩しく輝いて見えるから。

 いつもいつも、何かで満たされた箱を抱いて。

 何もないって、嘆いてる。
 

【ないものねだり】

3/27/2023, 1:57:18 AM