〖それでいい〗
初恋の先輩が事故にあって2日。
あと数日で高校の入学式なのに結構な重症だったと聞いた。
今日やっと意識を取り戻したらしい。
私は花束を持って病院へ向かった
先輩が好きな青を基調とした花束を。
先輩がいる病室の扉を軽くノックする。
「 失礼します。 」
静かに病室へ入った
カーテン越しに見える人影は2つ。
1つは先輩。もう1つは … ?
多分誰かが先輩のお見舞いに来たのだろう
私はお見舞い客が帰るまでどこで待つか悩んでいた
するとカーテンの中からはこんな声が聞こえた。
『 ねえ、やっぱり私達って付き合ってること部員にバレてるのかな? 』
『 バレててもバレてなくても俺は○○が大好きだから 』
え…?
いや待って?
○○って2年生の部長さんだよね?
学校1可愛くて優しいと言われている私の部活の部長。
あー、そういうことだったんだ。
だから2人がコロナにかかった時期がほぼ同じで、
LINEのステメとかで匂わせもしてて、
数日前に行われた部活の引退式で仲良くしてて、
流石に付き合ってないのかなって信じてた。
最初から私なんてどうでも良かったんだ。
きっと先輩は○○さんと付き合ってて幸せなんだ。
先輩が幸せならそれでいい、それで良かったんだ。
私は泣きながら病院を後にした。
「あー、泣きすぎて顔やばいかも…笑」
そんなことを考えると同時に
「青い花束どうしよっかな…。」
私の初恋が今日で終わった。
先輩、出会ってくれてありがとう。
4/4/2024, 11:16:07 PM