ある秋の夜
一人の男が、冷たい風の吹く公園を一人歩いていた。
どこか、感情が抜けたような男。
どこに向かっているのか、何の目的で今歩いているのか、なにも分からない。
寂しさ、どこかで不気味さを感じられる雰囲気だった。
砂を歩く音が、静かな公園に響く。
すると、男が立ち止まった。
砂を歩く音が消え、公園には静寂が戻った。
何をするのか。
何を目的に立ち止まったのか。
なにも、分からない。
すると、おもむろに隣にあった小さな噴水に向かった。
ゆっくりと、近づいていく。
砂音も聞こえないほど、ゆっくり、ゆっくり。
そして、ぽちゃんと音がしたと思うと
男の姿はもうなかった。
すると、後ろから草が擦れる音が聞こえたかと思うと
一連の流れを見ていた私は、静かな森の中に消えていった。
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1/18/2024, 7:35:11 AM