秋になると、人は皆どこか物悲しいような、何かを憂うような心持ちになることだろう。柄にもなく、あるいはいつにも増して、高い空がどうしようもなく恋しく思えて見上げるだろう。そうして開いた心の穴か隙間か、秋風を通す虚しさを埋めてしまいたくて、食欲や芸術を持ち出している。それでも、どうしても、埋められないんだろう。吸い込まれそうなほど青く澄んだ空に、柔らかな花のかおりを乗せた少し冷たい風が吹く。今夜の月は綺麗だろうか。/哀愁を誘う
11/4/2024, 4:30:30 PM