【後悔】
とある地味子に告白された。おさげで前髪は目にかかるぐらい。とても分厚い瓶底眼鏡をかけていて背も低い。おまけに話し方もおどおどして声量も小さい。はっきり言って聞こえない。もちろん返事はノーだ。「…そうですか」と彼女は言い残し急ぎ足で去っていった。俺は気にせずいつも通り過ごした。そして10年後。久しぶりにクラスのみんなで会おうという話になって近くの居酒屋へ向かった。皆変わっていなかったし、結婚した奴、大企業に努めたやつなどと人生成功しているやつが多かった。みんなで楽しく話していたその時、一人の美女が俺たちの席まで歩いてきた。内心ドキドキしっぱなしだった。「…遅れてすみません」美女はどこかで聞いたことのあるような声だったがあまり気にしないようにした。ところで、昔俺に告白してきた地味子の姿がないな…。美女のことをじっとみているとふいにばっちりと目があった。だがすぐにそらされた。俺は隣に座っている友達に美女のことを聞いてみた。すると信じられないことを言ってきた。「彼女、昔お前がふった地味子だよ」"後悔"した。もし戻れるならあのときに戻りたい。だがもう遅い。彼女は社長と付き合っているらしい。近々結婚式もあげるらしい。"後悔"が心に深く刻まれた。
5/15/2024, 1:12:08 PM