薄雄花をかき分けて、木と木の間をくぐり抜けて、君が忘れてしまって、隠れてしまった道をすすむ。君が忘れた道は、もう訪れることも無くなった。また来てよ、君が忘れても、僕はこの草の匂いも、土の色も覚えてる。また来てよ。僕はいつまでも待ってるからさ。薄が風でさわさわと揺れる音がする。あの頃の、僕ら二人の音だ。また来てよ。
11/10/2023, 11:30:09 AM