Cherry blossoms

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『コーヒーが冷めないうちに』

「あちっ」
やばい...あっついコーヒを一気飲みしちゃった
猫舌なのになぁ
「はぁ」
思わずため息を付く
今日憧れの彼に告白した
まぁOKはもらえたし 成功というとこだろう
でもなぁ彼は人気だから周りの女子の目線が痛いんだよねぇ
カタン
あっ隣の席に人が来た音か
ビックリしたぁ
「あのぉ」
えっ?
「すみません。俺あなたの知り合いの後輩なんですけどお話があって...」
「あぁ彼の後輩ね 話って?」
「先輩が階段を踏み外して亡くなりました。」
「えっ?」
彼の後輩の話によると一人目撃者がいて階段を誤って踏み外し転がり落ちて事故死だったという
正直信じれなかった ううん 信じたくなかった
不幸すぎるよ
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あれから6年たったある日私はある男の人と出会った
彼は私にすごく優しくてだんだんと好きになった
私は彼のこと1番に信じてるけど6年前の悲劇をまだ彼に言ったことはない
ある日彼が私に告白をした
もちろんOKをした
だって好きなんだもん
すると彼は嬉しそうに7年の恋が叶ったと言った
今日彼に6年前の悲劇を言うつもりだ
彼のお墓の前で
久しぶりに来た彼のお墓
5年ぶりかなぁ...?
なかなか彼のお墓見つからないなぁ
「あっあったよ このお墓でしょ!」
彼はそういった
私は彼との結婚を無かったことにし
一生一人で生きていくことを決めた

最近猫舌がマシになってきた気がする
コクコクと熱々のコーヒーを一気飲みする
実は彼が事故死したのは6年前
告白してきた彼は“7年の恋が叶った”と言った
まだその時には彼は生きている
それにまだ私は彼のことを話していない
なのにあいつは彼のお墓がわかった
名字も名前も知らないやつが?
おかしすぎる
彼が事故死した階段の踏み外し
絶対に違う
落とされたんだ 彼は
6年前彼の後輩が言っていた目撃者はあの男
彼は
あの男に
私のことを好きになった
あの男に

『コーヒーが冷めないうちに』

9/27/2025, 12:58:45 AM