柳絮

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目が覚めると


知らない天井があった。……なんていうこともなく。
起き上がってみても、昨日の夜と変わらない自室。
外はもう陽が高くなっていた。リビングは無人。家族はそれぞれ出かけたらしい。
ふらふら洗面所に向かい、顔を洗って、頭を上げると知らない人がいた。
「うぎゃっ!?」
顔を顰めて変な悲鳴をあげたそいつは、じっとこちらを睨んでくる。鏡越しに……鏡?
さっと血の気が引いた。鏡の中にはそいつしか映っていなかった。つまり。

7/11/2023, 4:30:10 AM