奈々

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雨に佇む女性



今年に入ったばかりの正社員


『おい!雨が降ってくるぞ!』

悪天候になり、
都会に慣れない志村
だが、都会に住むことが夢だった



『折り畳み傘ある?』
 
『心配ありがとう。あるよ』

ふと、同時に会社から出た男性同期の藤原



藤原は、電車で通勤している為、ホームで別れて
電車近くにある大きな橋へと歩いて行く



『………ん?』


志村が、見たことのない女性が、雨に濡れていたのだ


『………』


土砂降りの中、電柱柱の光が小さく光っている為、
よく女性の姿が見えない。
だが、女性の髪型がロングだと分かる


ピカッピカッ………

電柱柱の光が光ったり消えたりしている。
傘をさしていない女性が心配だ。志村は、濡れている
女性の方へと歩いて行ったが、その女性の姿が消えて
いたのだ。


『………女の人、帰ったのかな………』


俺は、大きな橋近くのスーパーへと行き、小さな
アパートの家へと帰った。


『ただいまー』


家の中には誰もいない。一人暮らしをしているからだ

『疲れたのかな〜〜〜〜』



冷蔵庫の中から、酒を取り出す志村


プシュッ


『あーー、やっぱり、ほろよい最高だ〜』


テレビを付けて、スーパーで買ってきた弁当を食べる。



【ほんでね〜恐怖な事態になったんですよ】



『………は?………』



タレント【怖い話だなー】
アイドル【ほん怖みたい………】
俳優【作り話だったら良かった………】.


テレビからの観客席からも悲鳴があがる。
俺は、幽霊なんて信じないが、今日、オレが見た女性は、下を向いているように見えた。タレントが実体験した恐怖体験をテレビで聞いていたオレはゾッとした。


『まさかな………』



同期で霊感が強いという女性の冴木に聞こうと、
スマホから電話をかけた


『冴木お疲れさま。志村です。』

『おっ、志村くん?どうしたの?』

『君って、本当に霊感があるって聞いたから、、』

『あー………私、霊感あるけれど、周りのみんなが
信じてくれないから、ただ言わないだけで………』

『冴木たのむ!』

『えっ!?いきなり、どうした?』




冷汗をかいて慌てた志村が、冴木に発言する。

『大きな橋を歩いていたら、知らない女性がいてさ…』

『志村くん、それって、、もしかして本物の幽霊かもよ………』

『ちょっと!怖いこと言うなよ!冴木!!』



冴木から教えてもらったことを、やり始めた。


『神社の塩は?』

『神社の塩?あー………無いな………』


冴木の顔とオレの顔が見えるようにして、

『お伊勢さんで購入した塩ならあるよ』

『お伊勢さんの塩…』

『うん、食塩もあるけれど、お守り代わりになる塩は、これしか………』

『お伊勢さん………お清め塩で効果があるのかが分からないけれど、やってみよう』


お伊勢さんのお清め塩で盛り塩、御守りのことを冴木に発言されて
すぐさま、お清め塩を、盛り塩にして玄関口に置いた。



一週間、1ヶ月経っても、大きな橋で、俯いた女性を見かけることがなくなり、家の玄関口にも盛り塩を盛っているので、不思議な人影を見ることも無くなった。



雨に佇む女性は、どこに行ったんだろうか?
オレは、女性が立っていた橋の上で見上げて
瞳を閉じて願う。本当に、本物の女性幽霊だったなら、
成仏を願うばかりだ。


8/27/2024, 1:30:53 PM