薄墨ザクラの花びらが風と一緒に楽しそうに踊っている…
ちょうどこの頃だったか…君とここの桜を一緒に見たのは…
君との恋は桜が散るように儚かった…
もう僕の隣には君はいない……
君がいなくなった隣はまるですっぽりと穴が空いているようだ…
サクラを見ていると僕の胸の中から何かが込み上げる……
…
「ねぇねぇパパ、ママ!とっても綺麗だね~」
三つ編みをした娘が満遍の笑みで僕達に話しかけてきた…
「そうだね~」
娘にそう答える妻はとても満足そうだ……
良かった…
妻と娘を見ていると……時々複雑な気持ちになる……
こんな中途半端な気持ちで本当にいいのだろうか……
もうすぐ次女が生まれるというのに……
たとえ、僕が全力で愛せないとしても、僕は僕なりに愛を伝えようと思っている………
なぁ…聞こえるか……
もうこの世にいない君へ……お願いだ…
いつまでも僕達をどうか見守っていてくれ……
僕が世界で一番愛した君………これからも好きでいる君
4/17/2023, 3:08:00 PM