落下。
君は笑っていた。
とても綺麗な朝日を背にして
まるで幸せの権化かのように
僕はただ見とれていた
君は特別美しいわけじゃない
だけどただ目は君だけを見ていた
ひと目見た時から
君は僕の心を独り占めしていた
きっと僕はその時落ちたのだ
君以外の何もない落とし穴に
何もないその場所で
君だけが輝いていたんだ。
落とし穴から出る術はなかった。
その術を探そうとも思わなかった。
ただ君だけで良かった
だけど
僕は突然その落とし穴から
引き上げられた
僕は泣いていた。
とても暑い日に炙られながら
まるで不幸の権化かのように
君はただ動かない
君は特別美しいわけじゃなかった
だけどただ目は君だけを見ていた。
落ちたのは
6/18/2022, 1:29:42 PM