はるかぜ

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図々しくも夏は秋の上に寝そべって、
ふと降り積もる雪を見て、いつの間にか過ぎ去った秋の終わりを知るのだろう。

読書の秋だとか、食欲の秋だとか、芸術の秋だとか、秋は短いけれど、確かにあったはずなのに。

少しずつ、季節が殺されていく。
知らぬ間に、季節が死んでゆく。

燃え盛る夏に、季節も、人も、この恋すらも。

青葉が枯葉になる過程なんかすっ飛ばして、
雪に埋もれて凍るのだ。

いつの間にか息絶えたことに、
誰にも、自分にさえも、気づかれぬまま。

確かにここにあった恋。

春になったら、また何かが芽吹くのだろうか。

【秋恋】

9/21/2024, 2:39:41 PM