10代は勝ち負けを気にして今思えば小さな事でなやんでいたなぁ
小さな小さな何もないただ水だけが溜まる池で、小さな鯉がまだ紅くならないと嘆いていたっけ
そのうち大人になって自分の池の中で幸せがあぶくが巡りだすと
心地の良い水草が生えて紅い鯉が泳ぎ、翡翠色の水が揺蕩う柔らかな池が出来て
いつのまにか周りが気にならなくなった
ついさっき老人が悔しそうに私の池に石を投げ込んだ
羨ましいという目で
足元の石を投げこむたび、どんどん足が泥に沈んでいくのが見える
そのままずるりと飲み込まれてしまえ
醜い姿も貧しい心も池の澱になって深く沈んで
翡翠色を生み出す一部になってしまえ
私の池は今日も深い翡翠色をしている
色んな色が沈んで
6/1/2025, 2:42:18 AM