16才。高校の入学式で初めて君をみた。遠くにいても君に気付いて目で追う、そんな自分に気付く。君の仕草、声、笑顔から目がはなせない初夏。
17才。同じクラスになった。私の後ろの席から、君が私の肩をトントンと軽いリズムで叩いて「ねぇねぇ、あのさ」と話しかける。同じリズムで私の心臓も跳ねた。ときめきが止まらない。
君からの告白にうなずいた秋。
18才。 初めて手をつなぎ、初めてくすぐったいキスをし、初めて君の体の温もりと熱を知った。
たくさん話し、たくさん笑った。
けれど、君と私の見ている未来が違うことを知った冬。
そして卒業式。
別れの痛みとともに私の恋も終わった。
早春の青空と君の第2ボタンを残して。
お題「恋物語」
5/18/2024, 10:43:28 PM