kayo。❀·̩͙

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[今までありがとうね、よく頑張ったね]
ある春の日に小さな命がお空に旅立った
私が中学生の春のある日に
羽を切ってしまったのか、飛べない小さい鳥が
いて、ぐったりしていたのを見つけた
心配になって、そのまま家に連れてきた
こっぴどく親に怒られたけど、
お前の優しさを無駄にはしたくない
そう言って父が鳥かごや、餌などお世話が出来る用にペットショップへ連れてきてくれた
その週の土日に獣医さんに行き
検査をしてもらった
どうやら栄養が足りてなかったり、春とは言え、まだ寒い時期だったためぐったりしていたとの事だった。
羽の方は応急処置をしたため飛べる可能性があるかもしれないと言われた
そこから少しずつ回復していき、1ヶ月が経つ頃には飛べるようになっていた
それから時が経って
私が家を出る時
マンションなのでペットは飼えないということなので
その鳥は実家に預けることにした
好きな人が出き、両想いになった
彼も鳥が好きだったので話は盛り上がった
お付き合いすることになって結婚をした
それから小さい命を預けた時だった
ある雨の日に実家から電話がかかってきた
出てみたら酷く慌てた様子だった
[あのね、かなり弱ってて1回こっちに帰ってきて]
そう連絡があり、その日の翌日に夫と一緒に帰った
酷く弱っていて、小刻みに震えていた
詳しく聞いたら
老後が原因だった
心配で帰れそうになかった私はしばらく泊まることにした
その翌日のお昼頃に静かに眠ったまんま永遠の眠りについた。
家族で簡単に埋葬をして、戻って
空になった鳥かごを眺めて溜め込んでいたものが流れてきてしまった。
母も、夫も、父も、そっと涙を流していた。
授かった子には同じ名前をつけよう、私はそう心の中で決めた

お題[鳥かご]
No.48

7/26/2023, 7:54:07 AM